今の歯科医療は「治す」よりも「守る」という、予防歯科の考え方が一般的です。
「痛くもないのに、歯科医院に行くのは面倒くさい」
「小さい頃からむし歯になりやすかったから、むし歯は仕方ない」
と思っていませんか?
痛みでむし歯に気づくのは中度~重度のむし歯です。
その場合、どうしても治療が大掛かりになってしまいます。
毎週のように通院していただき、1ヶ月~2ヶ月の期間がかかることが多いです。
だからこそ、痛くなったら治療するのではなく、そもそも「むし歯にならないように」「歯周病にならないように」することが、一番大切だと思っています。
むし歯や歯周病にならないようにするには…
定期検診の間隔について
ご自宅できれいにブラッシングしているのに、むし歯になってしまうのはなぜでしょうか?それは、歯みがきでは落とせない汚れ(歯石とバイオフィルム)があるからです。
歯のぬめり(バイオフィルム)は、1度破壊しても、3ヶ月程度でまた復活してしまいます。それを取り除くために、1~3ヶ月に一度の定期的なケアが大切なのです。
毎年必ずむし歯ができてしまい治療に来ていた方も、3ヶ月に1回のケアをするようになって数年間、一度もむし歯ができていません。
症状がなくても、定期的に検診を受けることで、歯を守ることができるのです。
「セルフケア」と「プロフェッショナルケア」、
車の両輪のように、どちらも欠くことのできない関係です
予防歯科は、患者さん自身がご自宅で毎日行う「セルフケア」と、歯科医院で定期的に行う「プロフェッショナルケア」の2つにわかれます。
どちらか片方を行っていれば安心…というものではなく、ご自宅と歯科医院両方でケアの両方を行うことで、大切な歯を守り続けることができます。
ご自宅で行うセルフケア
歯みがき
毎日のブラッシングが基本です。できれば1日3回、難しければ2回でいいので、丁寧に、磨き残しのないように、歯ブラシを使って磨きましょう。
フッ素配合の歯みがき剤
フッ素は歯質の強化や、むし歯を防ぐ効果があります。市販のフッ素配合歯みがき粉は、歯科医院で使う濃度の10分の1程度ですが、毎日使うことで同等以上の効果を発揮します。
デンタルフロス・歯間ブラシ
歯ブラシでは取り除けない、歯と歯の間の汚れを取り除きます。隙間が大きい場合は、歯間ブラシも効果的です。
デンタルリンス
歯みがきのあとに使います。特に、寝る前に使うことで、就寝中に細菌が増殖するのを防ぎます。
歯科医院で行うプロフェッショナルケア
歯みがき(ブラッシング指導)
ご自宅でのセルフケアが正しく行えるように、一人ひとりの磨きグセや歯の特徴にあわせて、効果的な歯のみがき方を指導します。
PMTC(専用機械を使ったクリーニング)
専用の器械を使って、歯1本1本を丁寧に磨き上げます。痛みは全くありません。
磨き残しや歯ブラシでは磨ききれない歯と歯の間、歯ぐきとの隙間など、徹底的にきれいにします。また、このクリーニングのあとは、歯に汚れがつきにくくなるため、予防の効果も高まります。
スケーリング(歯石取り)
歯石は、歯周病の原因となる細菌のかたまりです。歯みがきやひっかく程度では絶対にとれません。専用の器具を使って、きれいに歯石を取り除きます。
フッ素塗布
生えたての歯には、特に効果的なフッ素塗布。歯科医院専用の高濃度フッ素を塗布します。
シーラント
むし歯になりやすい、生えたての奥歯の永久歯に、歯科用プラスチックで溝を埋めます。